技術担当:服部
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RFEM21400/LPR2430ERAは無線ネットワークを簡単に開発できる無線モジュールです。かと言って最初からこの無線モジュールに係わる知識無しで開始すると後になって間違った選択をしたと後悔する結果に成りかねません。そこでここではRFEM2400/LPR2430ERAの主だった特徴とその評価手段についてご紹介致します。無線モジュールの選択や他社製無線モジュールとの比較にご活用ください。
その上で当社の無線モジュールをご選択いただいた場合は後述の無線ハードウエア開発支援及び無線ソフトウエア開発支援が製品開発にお役立ていただけると思います。
この無線モジュールはIEEE802.15.4形式の無線モジュールです。IEEE802は米国の規格でIEEE802.11は無線ランの規格です。IEEE802.15.4は小型無線ネットワーク用に開発された規格です。この規格の中にはZigBee(注1)があります。ZigBeeは広く知られた無線通信手順です。しかし、RFEM2400/LPR2430ERAはZigBeeとは一線を画し、秘匿性を高め、孤立した無線ネットワークを構築する為に旧RFM社の技術者が独自のプロトコルとそれを基に通信ファームウエアを開発し、標準装備した無線モジュールです。
無線モジュールのコアICはテキサスインスツルメンツ(TI)社製のCC2430です。CC2430の優れた点は2.4GHz帯の直接拡散方式の2値位相変調(O-QPSK)を採用していることです。これは1サイクルで2ビットの送信が可能であると言う事に加えて、従来のFM変調(FSK)と異なり、混信に強い特徴を持っています。
日本(工事設計認証)、米国(FCC Whole Module認証)、カナダ(IC)及び欧州(ETSI)の認証を受けている為、日本国内、米国、カナダ及び欧州で新たに認証を取らずお使いいただけます(注1)。また、FCCの認証が有効な国でもお使いいただけます。変調方式には直接拡散型O-QPSK変調を用いており、従来の単波FSK方式と比較して混信に強くと高い通信信頼性を誇っております。また、通信周波数は2405MHz~2475MHzで15チャンネルをご用意。親機(ベース局)が周波数を変更すると子機(リモート局)が自動的に親機の送信周波数を感知し、そのチャンネルへ自動的に移動する機能を持っております。注1:米国内では100mW最大ですが、日本国内では10mWに制限されております
RFEM2400/LPR2430ERAは内部にRFM社製通信プロトコル及びこのプロトコルを使って通信を行う通信ファームウエアが標準装備しております。従って、通信ファームウエアの開発無しで無線通信を用いた製品を開発することが可能です。
PCからの制御には、Windows(r)上で走るUSB通信ドライバーを当社がご用意。この通信ドライバーを用いる事で簡単にディジタル通信ソフトウエアを構築できます。USB回路は市販のUSB素子をRFEM2400/LPR2430ERAのUARTに接続するだけで構築でき、USBセルフパワーでUSB回路及びRFEM2400/LPR2430ERAを稼働させることができます。
RFEM2400は無線モジュール自身がGPIO、ADC、PWM、UART等の機能を持ち、外付けの素子を用いなくてもデータを収集できます。従って外付けマイコンを使用しなくても、外部のデータの収集や外部機器の制御が出来ます。主なものに次の機能があります。これらの機能は全て標準プロトコルで制御できます。
・GPIO 6ビット(入出力)内3本がイベント感知
・ADC 分解能 11ビット(2048階調) 3本
・PWM 分解能 8ビット(256階調) 2本
・UART 1本 速度設定機能付き
これらのデータ収集機能を条件設定し、データを収集するファームウエアが標準装備。外付けのマイコンやデータ収集機能を付加することなく、データ収集が可能です。
手っ取り早く評価したいと言う方にお勧めなのがRFEM2400/LPR2430ERA開発キットです。この開発キットには初期評価からネットワーク用ソフトウエア開発ができるハードウエア的環境が揃っています。先ずは付属の評価用ソフトウエアで評価用ハードウエアを動かし、フィーリングを掴んだ上でネットワーク用ソフトウエアの開発ができます。
本製品はハードウエアを日本でも使える様に当社で無線モジュールを検査し、技適ラベルを貼った評価モジュールと旧RFM社開発の評価ソフトウエア(英語)にプラスして、当社開発の日本語評価ソフトウエアが付属しています。是非一度ご検討ください。
RFEM2400/LPR2430ERAは2.4GHz帯の無線モジュールですが、工事設計認証に係わる特定無線設備の種類は電波法第2条第1項第19号の無線設備、即ち2.4GHz帯高度化省電力データ通信システムとなっています。従来のFSK(周波数変調キーイング)とは異なり変調方式にはO-QPSK(オフセット型4値位相変調方式)と言う特殊な変調方式を用いています。この方式は通常の位相変調角に角度オフセットを持たせ、4値つまり1と0を4つ、2ビットのデータを送信することが可能です。その上、直接拡散方式(DSSS)を用いることで混信に強い送信方法となっています。
では具体的な波形はどの様かというと、無変調時と変調時の波形を次に示します。
無変調時の波形は右図が示すように真ん中に一本、ピークが出る形状の波形をしています。この図は送信機から約3mの距離で1/4λ垂直アンテナを用いて測定したものです。変調前の波形としては極一般的な波形をしています。RFEM2400/LPR2430ERAはチップアンテナ仕様ですので、高周波出力のプラス側はチップアンテナに、マイナス側は共通グランドに接続されています。
変調時の波形は右図の様に丸みを帯びた形になります。この波形は変調波を継続的に出したもので実際の送信波はこの一部の波形になります。しかし、送信波形を積算していくと写真の波形と似た形になります。送信波の周波数帯域は実測値で概ね4MHzでチャンネル幅が5MHzであることから近接チャンネルに混信を与える危険性はありません。
外からの妨害波に対しては直接拡散で4MHzに広がっていますので混信を受ける確率が低くなります。仮に妨害波が混信を起こして、正確なデータが拾えない場合でも、再送を掛けることで確率的に前回の送信と異なる4MHz内の他の周波数で送信する確率がある為、妨害波を避けて正しいデータを受信する可能性が高まります。