成形型を立体的に温度トレースします。

ＭＤＴＷシリーズは温度への依存度が高い製品製造のために開発された無線ネットワークシステムです。その中でも樹脂成形のプロセス監視に焦点を当て、温度や圧力を含む５変数(温度、圧力、加速度、流量及び湿度）を監視する目的で開発された装置です。その中でも成形型の温度は製品品質を大きく左右する要素でありますが、成形型は大きい為、成形機に内蔵されている制御用温度計だけでは判らない成形型各部の温度変化を時系列的にトレースすることが必要になります。本装置はこの目的で開発されました。

　成形プロセスを監視するシステム

  長年に渡る樹脂成形工場での経験を基に樹脂成形プロセスを専門的に監視するシステムがこのMDTW５型です。この製品には製品開発履歴で培ったノウハウが凝縮されており、成形型の温度監視に役立つ事でしょう。

　本シリーズの製品コンセプトは温度管理が必要な製品を製造する際に成形機が持つ温度監視システムでは把握できない部分の温度管理を完全自立システムで管理することですが、具体的には製品コンセプトをご覧ください。本装置は設置の簡便さから、一時的な測定手段またはACアダプターを用いて常に電源供給することで恒久的な温度測定手段としてもお使いいただけます。

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成形機標準装備以外で成形型の温度計測ができる

成形機には熱電対を用いた温度管理システムが備わっていますが、測定点は一点に絞られています。しかし、成形型は大きく、温度分布も一様ではありません。高い品質の成形プロセスを実現するには成形型の数箇所を測定して、その温度が一定であること。また、成形型は大型であるため、熱保有量が大きいので温度がゆっくり変化します。それらの変化を含めて、管理する事が高い品質を保つ要因となります。

外部環境や成形に影響を与える要素を同時測定

樹脂成形は一般的に室温より高い温度が要求される為、外気温や冷却水の温度にも気を配る必要がある。成形プロセスを管理するにはこれら複数の要因を同時に管理する必要がある。MDTWシリーズの製品の測定子機は複数の測定ポートを持ち、システム全体では数個の測定子機から測定値を吸い上げることができるため、多点での同時測定が可能となる。

　ソフトウエアでの完全管理

　パソコンの上で走る制御ソフトウエアが無線ネットワークを構成するハードウエアを制御し、設定した条件、例えば１分置きに温度データを取る、に従って、ハードウエアを動かし、データを収集します。データ収集は全て自動で行われる為、人間が介在する必要は御座いません。

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　無線通信で温度データの転送

　制御を担当するパソコンには無線親機が接続され、成形機には測定子機が配置されます。測定子機がセンサーを用いて収集したデータを測定子機が無線で無線親機に送り、受信したデータをパソコンが吸い上げて処理と保存をします。この為、作業者がデータ収集の目的で介在する必要が無く、データは定期的に取得され、定期的に保存されます。また、無線機器を使用してのデータ転送ですので装置間の配線は必要ありません。電源だけを確保することで稼働できます。

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　データは時系列的に自動保存

　制御ソフトウエアは取得したデータを予め指定された書式（日付と測定場所別）でデータをハードディスクへ自動的に書き込んで行きます。従って、保存し忘れる危険性が無い上に後から検索する場合も容易に見つけることができます。データは可読式（ASCII)と二値化形式で書き込まれていますので、目で見て確かめることができます。従って、通常のデータロガーに様に手動でデータをパソコンに移し変える必要が無く、数値データが自動的に保存されます。

　強力磁石による測定子機の固定

　基本セットは無線親機１台に測定子機２台の構成です。測定子機にはＡＣアダプターが標準装備されており、オプションの電池ボックスで稼働させることも可能です。

　測定子機の裏面には強力なネオジウム磁石が４個固定されており、この磁石で成形機のカバー等に固定することが可能です。磁石は非常に協力ですので僅かな振動や揺れで設置位置が簡単に移動しません。従って、成形機側面など取り付け用具が無い場所にも簡単に取り付けることが可能です。